令和9年度入試(令和8年度末選抜試験実施)より、埼玉県立高校の入試試験の内容が大きく変更されることとなりました。
主な変更内容
自己評価資料の提出
受検生の学びに向かう力や意欲、多様な活動等を多面的・多角的な観点から評価するため、受検生のこれまでの活動への取組状況等を、自らの言葉で表現する自己評価資料の提出が全ての受検生に求められることとなりました。
- これまでの自分の体験や自己PRについて
- 高校入学後に取り組みたいことについて
- その他の項目(※各高校が独自に設定できる項目)
令和6年度当初現在では、上記のように発表されています。
全高校で面接試験の実施
自己評価資料に基づき、全受検生を対象に、自らの言葉で表現する場として面接を実施する。ただし、自己評価資料そのものは評価しない。
上記の評価資料を提出させたにも関わらず、それそのものは評価しないとはどういう意味か。
面接試験の点数に面接そのものから付けられる人物評価以外の点数を上乗せするってことで間違いないでしょう。例えば、これまで評価対象となっていた部活動での好成績や役職の実績、各種検定試験の取得状況について、この時点で自動的に上乗せするということです。
また、面接の評価については、事前に評価の観点や規準を公表する。自己評価資料及び面接では、記入された実績を評価するのではなく、これまでの取組の過程や意欲、今後の取組に対する意欲等を評価する。との記載があります。これは公表されるまで確実なことは分かりませんが、恐らく今まで以上に曖昧な表現で詳細な採点方法の表記を避けることとなるでしょう。
どのようなパターンの面接であっても、通塾生は追加料金なく面接指導します。基本的な作法から着眼点、想定質問など納得いくまで何度でも対応します。
調査書の様式変更
中学校が作成する調査書の記載事項について整理する。
・ 1学年から3学年までの各教科の学習の記録(評定)の記載を基本とする。
・ 各教科の学習の記録(評定)以外については、自己評価資料において、受検生がこれまでの活動内容等について記載する。
現時点で公表されている調査書の案を見る限り、現在行われているような
1年:2年:3年=1:1:3のような学年別に割合を変更すること困難な書類になっています。
このことから、今まで以上に評定が大切になってくる生徒と、評定を気にする必要がなくなる生徒が2極化することとなります。
これまでのような、部活動での実績や各種検定に関する事項は、自己評価資料に記載することとなります。
選抜の特色化(共通選抜及び特色選抜)
【共通選抜】
全ての高等学校・学科・コースにおいて、学力検査、調査書、面接を資料として選抜する。
【特色選抜】
各高等学校は募集人員の一部を、学校・学科・コースの特色に応じて選抜することができる。学力検査・調査書・面接に加え、特色検査(実技検査・小論文等)の実施や学力検査等の傾斜配点を行うことができる。
各高等学校における目指す学校像、入学者の受入れに関する方針については、事前に公表し、受検生や保護者に十分周知する。
まとめ
選抜方法の変更と聞くと、過剰に不安に感じてしまうものですが、大きな変更は無いという認識で問題ないでしょう。
大きな変更をした結果、高校に入学してくる生徒の質が著しく変わってしまうことも問題であるので、従来の試験方法で選抜した結果と大きな相違がないように実施することは容易に想像できます。
確かに面接が行われることや、英検や数検といった検定を中学校に報告する必要がなくなってしまったことについて、不安に感じるかもしれません。当面の間は実施する高校側にも混乱があるものと容易に想像できますので、過度な対応はせずに、今まで通り学習を進めていく事が大切です。